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G20大阪サミットの米中対決を映画批評風に考察してみる

更新日:

(2019年7月1日の記事です)

さて、世界のニュースを映画批評風に考察してみるシリーズ第3弾。ネタ満載のG20大阪サミットです。さて、どのニュースから行こうか・・・と考えて、やはり経済に大きな影響を与える米中首脳会談を取り上げてみることにしました。

第1弾:イギリスのメイ首相辞任の感想と考察(2019/5/26)
第2弾:安倍首相のイラン訪問を映画批評風に考察してみる(2019/6/16)

「何故このタイミングでこの発表なのか?」「その背後にはどのような思惑があるのか?」ということを、長期的目線で考察してみることを目指しています。

・・・とえらそうなことを言っていますが特に政治経済の専門家ではありません。株好きオヤジが株安を心配しながら居酒屋でくだ巻いているのと同レベルですのであしからず(笑) 

2019年G20大阪サミットにおける米中首脳会談

ざっくりあらすじ


(スターウォーズのタイトルロール調に)

2019年6月、世界経済の先行きには暗雲が漂っていた

気まぐれで予測不可能なアメリカのトランプ大統領が

「米中首脳会談で合意点を見出せなければ、追加関税を発動する」

ツイッターでそうつぶやいたのだ



中国はアメリカの関税に関税で対抗してきたが

課税対象が2000億ドル相当のアメリカに対して

中国の課税対象は600億ドル相当に過ぎず

これ以上の関税引き上げは中国経済に致命傷を与えると目されていた



このままでは世界的な経済危機の引き金になる!

世界中の人々が注視するなかで

日本・大阪の地でアメリカのトランプ大統領と

中国の習近平国家主席は首脳会談に臨むのであった・・・

 

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感想と考察


結果はみなさまご存知の通り、「第4弾対中追加関税は見送り」となりました。その他、
・貿易交渉再開
・ファーウェイ禁輸措置解除(ただしアメリカ製品の購入許可のみ?)

が決定しました。中国が農産物の大規模購入などで、大幅な譲歩をしたことが要因と思われます。これでひとまず目先の経済的混乱は免れたように思えますが、これで米中貿易戦争は収束に向かうのでしょうか?

答えは・・・そんなわけはないと思います。

これ、未だに中国の貿易赤字を減らしたいトランプ大統領が選挙対策でやっているとか、気まぐれなトランプ大統領が感情的になってやっているとか、そういうようなことを言うテレビ解説者や経済界関係者がいますが(もちろんそういう側面もありますが)、いやいや、そもそも論が違うでしょうと。

この問題はそういう”現在”の出来事だけでなく、”過去”と”未来”に分けて考えると長期的な事象の変化が見え易くなると考えています。

米中貿易戦争の”過去”


もともと、アメリカは中国に対して極めて寛容でした。2000年代以降の中国の平和的台頭を、むしろ好意的にさえ捉えていたと思います。

特に印象的だったのが、オバマ大統領がはじめて日本へやってきたときの演説。当時、全部見たのですがずっこけそうになりましたw 日本での演説なのに、内容は中国の話ばかり。日本の中国の区別ついてるの?とすら思ったほどです。

また、第二次安部政権発足後も、オバマ大統領は明らかに安部首相を歴史修正主義者といって嫌っていました。

そんな中、(トランプ大統領が言うには)中国はアメリカから最先端技術を次々と盗み、技術を急速に発展させた。また安い労働力でアメリカ人から仕事を奪った。そして、アメリカに対して膨大な貿易黒字を築くに至った。というわけです。

中国はアメリカと中国で世界を統治するG2構想までぶち上げていました。こういう「過去」があります。

米中貿易戦争の”未来”


なので、このまま中国が自由に振舞えば、いずれG2としてアメリカとともに世界を牛耳ることになる可能性がある。さらには、中国がアメリカの国力を上回ってしまったら、中国ルールで世界が回っていかざるを得なくなってしまう。(トランプに言わせれば、アメリカから搾取をしたおかげで!)

実際に、中国は「中国の偉大な夢」として、唯一の超大国として世界に君臨するような未来像を口にするようにもなりました。

そういう”未来”に、さすがにアメリカ人も目が覚めて、「オイオイちょっと待てよ」と。

だから、トランプ大統領が米中貿易戦争を始めたというのはいささか正確ではなくて、アメリカという国自体に中国に対する恐怖心があり、そもそも中国の”平和的台頭”は実は平和的ではなかったということに気づいたことに起因しています。

トランプさんのやり方が派手だからトランプ元凶説みたいになっている節もありますが、むしろトランプさんは「担がれた神輿」でもあります。ピーター・ナヴァロさんや、ボルトンさん、ポンペイオさん、さらに副大統領ペンスさんも対中強硬派です。

だから、米中貿易戦争は規定路線であり、大なり小なりはあるでしょうが、今後も続くでしょう。

特にファーウェイ関連については、次世代通信網を握った者がまさに世界覇権を取るので、アメリカとしては座視できません。なので、米中貿易戦争は、まさに次世代の覇権戦争なのです

 

中国の反撃


さて、関税の応酬では勝ち目の薄い中国。今回、G20でアメリカに対して大幅譲歩をいたしましたが、これで中国は敗北したのでしょうか。いやいや、これもそんなにぬるくはないと思います。むしろ、着々と反撃の機会を狙っていると思います。

来年は、アメリカ大統領選挙があります。民主党の候補バイデンさんは、超親中派。「中国は脅威ではない」と考えているようです。なので、中国としては、次の大統領選挙まで何とか攻勢をしのいで、バイデンさんが新大統領になれば一件落着!というか、一発逆転と考えているのではないでしょうか。

中国の日本に対する最近の融和姿勢も、その流れの上にあります。報道番組などで、習さんの表情が柔らかかった!これでまた日中仲良し、めでたしめでたし!みたいな論調になっていますが、そんな甘いものではないでしょう。トランプ政権が倒れるまでの「つなぎ」として、日本に接近しているという側面もあると思います。

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対称性の破れ


さて、いきなり話が変わりますが、ジョジョの奇妙な冒険という漫画シリーズの中に、スティール・ボール・ランというのがあります。そこに登場するヴァレンタイン大統領というのが、このようなことを言っています。

”テーブルの上に並べられたナプキンの右側を取るか左側を取るかについて”
誰かが最初に右のナプキンを取ったら全員が「右」を取らざるを得ない
もし左なら全員が左側のナプキンだ
そうせざるを得ない

これが「社会」だ・・・

(詳しくは是非スティール・ボール・ランをご覧ください)

 

そう、社会は最初に決めた者に従うのです。これがいわゆる次世代の覇権というものです。

いま、アメリカと中国はまさに「どちらが先にナプキンを取るか」ということをめぐって争っているのです。これは目先の株価の変動よりも、とても重要なことです。そういう目でトランプ大統領のやりとりや株式市場を眺めると、また違ったものが見えてくるかも知れませんね。

 

総合評価(映画批評風に)


「今回の和解は一時的なものにすぎないはず」
★★☆☆☆   2点

トランプ流に言えば、”どうなるか見てみよう!”

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