2019年公開のハリウッド版「ゴジラ」です。レジェンダリー・ピクチャーズのモンスターバースシリーズとしては3作目。

ざっくりとあらすじ
前作ハリウッド版ゴジラから5年後の設定。巨大怪獣の存在が次々と明らかになり、それを極秘裏に研究・管理するモナークという組織がありました。そこのサイコパス女科学者が環境テロリストと組んで、怪獣を次々と目覚めさせていきます。ゴジラをはじめ、モンスター・ゼロことキングギドラ、ラドン、モスラなど日本のゴジラシリーズでおなじみの怪獣たちが、覇権(ボスの座)を巡って争います。地球の運命はいかに!?



感想と考察(ネタバレ含む)
日本原作の映画とかアニメを、ハリウッド実写化すると変にアメリカナイズされて、妙な日本観も乗っけられてモヤモヤすることが多いですが、本作はかなり日本原作に寄せてきました。東宝がグリップをきかせていたのか、あるいは監督が筋金入りのゴジラファンだからか。。。

日本制作のシン・ゴジラは、人類が叡智を結集して化け物に立ち向かっていく話で、ゴジラ相手に自衛隊はどう戦うのか、ゴジラ相手に日米安保は発動されるのか?というリアリティも少し含めながら一つの作品に昇華させた「平成のゴジラ」でした。

一方で、今回のキング・オブ・モンスターズは、人類の叡智では全くどうにもならない自然災害級の怪物たちが、人間そっちのけで暴れまわる「怪獣プロレス」。人類はただ、逃げ惑うのみ。

どちらかと言えば前者好みなのは、私が大人になったせいなのか。ただ、より古典的ゴジラに近いものをハリウッドで作ったということについては、大きく評価をしたいです。

だからこそ、わけのわからんヒューマンドラマというか、家族愛の物語はいらんかったかな。まったく感情移入できないし、テンポが悪くなる。ドラマ部分で意味があったのは、渡辺謙(芹沢博士)が「傷を癒すには傷を作った悪魔と和睦するんだ」というくだりだけでしょうか。渡辺謙にあの言葉を言わせたいがために、訳の分からん家族ドラマがあったのかと思うくらい。

しかし、日本人に核弾頭持たせて特攻させるって、オイオイ・・・何ちゅうデリカシーのなさ!と思っていたら、渡辺謙が持っていた懐中時計は、原爆で死んだ父の形見なんですね。こりゃ、マジか。マジであの脚本考えたんか。それで、渡辺謙にあのセリフを言わせたんか。。。

スポンサーリンク



その他、良かった点
1.格付けの描き方が上手い!
火山からラドンが復活してからのシーケンス。戦闘機でラドンを引き付けて、キングギドラの方へ誘導しようとしますが、マッハで飛ぶ戦闘機にもあっという間に追いつかれます。そして、1機また1機と落とされていきます。ラドングルグル回転も絶望感が強くて良かったです。そして、ほうほうの体でキングギドラの元にたどり着いたと思ったら、ラドンがキングギドラに瞬殺されます。キングギドラヤベ~!となって、その後ゴジラ登場。

この一連の流れで、人間の兵器<<ラドン<キングギドラ=ゴジラ の格付けが見事についています。 

2.キングギドラの勝ち誇ったシーン
火山の上で翼を広げるところとか、高圧電流を食べて放電するシーンとか、美しい姿です。劇場で見るべき映画でしたが、このシーンはDVDで何度も見返したいくらい。

また、ギドラのコードネームが”モンスター・ゼロ”というのが良かったと思います。日本人はギドラが”キング”ギドラであることを知っているわけですが、初見のアメリカ人には分からないので、”モンスター・ゼロ”とすることで別格の怪獣であることを印象付けることができます。

3.モスラが神々しい!
全編夜のシーンが多いので際立つ。天使か!?と思ったら、虫www

4.ゴッズィーラではなく「ゴジラだ」
渡辺謙がちゃんと日本語で「ゴジラ」と発音していた!日本のゴジラが本当の意味で世界のゴジラになった瞬間です。


残念だった点
1.わけのわからんヒューマンドラマ
そりゃこんな両親だったら俺だって家出するわ!

2.「カイジュウ」ではなく「タイタン」だった
巨大生物を「KAIJU(カイジュウ)」と呼んでほしかった。この点では、パシフィック・リムは先駆者です。キング・コングとの兼ね合いはあるのかも知れませんが・・・

3.そして日本人役がいなくなる・・・
渡辺謙(芹沢博士)が本作中で死んでしまいますので、劇中から日本人役がいなくなります。パシフィック・リム2で菊池凛子が退場させられたのと同じ。日本の怪獣映画から着想を得て、日本にリスペクトを払いつつも、日本人役を退場させてこの後好きにアメリカナイズだぜヒャッホ~~!!という感じなんでしょうか?


キャスト
マイケル・ドハティ(監督)
X-MENシリーズの脚本を担当したことがありますが、本作まで全く存じ上げませんでした。怪獣の描き方に愛を感じましたので、今後も注目したいと思います。

渡辺謙(芹沢博士)
言わずと知れたハリウッド日本人俳優の先駆者。本作では重要な役回りでした。

チャン・ツーイー(チェン博士)
HEROは2002年の作品なんですね。もう17年も昔か~。花王のCMも2005年ころだったらしい。時が経つのは早い。若い人はもう「アジアン・ビューティー」とか聞いてもピンと来ないでしょうね。しかし、こういう女優さんは大富豪とかロックミュージシャンと結婚するんですね・・・

その他の役者さんは知らない方ばかりでした。。。


総合評価
「怪獣プロレスごちそうさまでした!」
★★★☆☆ 3点

DVDで個別のマッチアップをもう一度見たい。

スポンサーリンク


スポンサー リンク