世界のニュースを映画批評風に考察してみるブログ

経済(株)と映画が好きな人のためのブログ。世界のニュースを映画批評風に分析しています。新作旧作問わず、映画批評もやっています。



公開前からいろいろと話題の多かった映画「空母いぶき」の感想と考察です。現実の世界情勢についても考えてみます。

空母いぶき


ざっくりとあらすじ
20XX年、嵐の中漁民に偽装した武装集団が波照間群島初島(注:尖閣諸島ではない)に上陸し、島を占領した。武装集団が所属するのは、東アジアの新興勢力「東亜連邦」。自衛隊初の航空機搭載型護衛艦(ぶっちゃけ空母)を中心とする第五護衛艦隊群が現地に派遣されるが、問答無用で攻撃を行ってくる東亜連邦に対して、専守防衛の縛りの中でいかに立ち向かっていくか、というような話。



感想と考察(ネタバレ含みます)

この映画を見るにあたって最も興味があったのは、”原作の設定を大きく変えて、オブラートに包んでまであえて映像化する必要があったのかどうか?”ということです。(そもそも原作は未完でもある!)

原作は、様々な問題提起を含んでいます。
1.中国が尖閣諸島に攻めて来るかも知れない(しかも偽装漁民を使って)という「リアル」
2.いざというときアメリカは助けてくれるのか。
3.専守防衛の縛りの中で、日本の自衛はどこまで許されるのか。
4.日本政府にこのような有事対応能力と覚悟はあるのか。
5.そもそも自衛隊は空母を持てるのか。

この1と2を捨てて、映像化を果たしたわけです。しかも、東亜連邦という全く現実味のない勢力を敵として、しかもそんな新興勢力が何故か練度の高い空母打撃群とミグ35を多数保有しているというファンタジー。国民経済と軍事費はどうなっている!?

そう、この映画はリアリティーの欠如した世界の中で、現実問題を突きつけようとするのです。ゴジラを相手に自衛隊はどう戦うのか?ゴジラを相手に日米安保は発動されるのか?そういう問題意識に近いわけです。シンゴジラです。


と斜に構えていたところはあるのですが、みおわったところ、”映像化する価値はあった”と思います。特に3です。相手はバカスカ攻撃してくるのに、自衛隊は「それでは敵を殺してしまうではないか?」とか「敵を救助に行かなければならないではないか?」とか、「戦闘が戦争に拡大してしまうではないか?」とか考えながら対応しているわけですよ。

相手はフリーハンドで殴る蹴るしてくるのに、こっちは手も足も縛られて、しかも相手に致命傷を与えないように配慮しながら応戦しなければならない、という自衛隊の苦労は、百聞は一見に如かず。映像の力で、広く国民に伝わったことでしょう。この一点だけでも、映像化して良かった。

その他、良かった点。
1.西島秀俊(秋津艦長)と佐々木蔵之介(新波副長)が良かった!特に、西島秀俊。かわぐちかいじの作品は、”人の心があるのかないのか分からん超越した天才キャラ”が良く登場するのですが、人の心があるのかないのか分からないくらいのテンションでどんなときも沈着冷静に任務をこなす秋津艦長にとてもマッチしていました。ちょっとファンになったくらい。

2.コンビニの描写が良かった。コンビニの場面は、”一般人目線”を象徴する場面となっていますが、正直に言ってストーリーの本筋にはあまり絡まないので、下手をすると全く無意味な場面になってしまう危険性があります。しかし、中井貴一の怪演よ(笑) 一発で視聴者の耳目を集め、コンビニの場面を引き立たせました。あと、地味に、メガネの男の子が普通っぽくて良かった。

3.「やっこさんに付け入る隙を与えたらあかん!」山内圭哉(浮船艦長)の異彩を放つ関西弁がよかった!


4.日の丸のついたF35が空を駆ける躍動感が良かった!これは映像化の何よりの醍醐味。


他方、イマイチだった点。
1.佐藤浩市(総理大臣)がイマイチだった。いや、あの「下痢のシーン」は別にいいんですよ。事前に話題になったほどには全然気にならなりませんでした。けれど、かわぐちかいじの作品は、登場キャラの多くが「腹をくくったあとの"激熱さ"」を持っているんですよ。その熱量がイマイチ伝わってこなかったかな。。。

2.本田翼(本多記者)もイマイチだった。いや、可愛いんですけど、これもかわぐちかいじ特有の「熱さ」みたいなものが伝わってこなかった。もっとジャーナリスト魂をみせて欲しかった。

3.国連至上主義はやめて欲しい。日米安保条約があるにも関わらず、アメリカは中国やロシアと同じく傍観者・仲裁者的な立場で登場。なんだかな~


ところで、中井貴一と佐藤浩市が出演する「記憶にございません!」も面白そうだ。今度は中井が首相役。

現実の日本との比較

さて、原作の空母いぶきは、2014年から連載がはじまりました。そのときの国際情勢を振り返ってみましょう。

2010年に尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件がありました。
2012年末に民主党政権が倒れ、安倍政権が誕生しました。
そして2014年、空母いぶきのモデルとなった「いずも型護衛艦」が就役間近でした。ヘリ空母ですが、F35が選定された場合、ちょっとの改造ですぐ運用できるよね、けど憲法の制約でそれは無理なのではないの?という議論が一部でなされていました。

アメリカの大統領はオバマ大統領。当時、オバマ大統領は明らかに安倍総理を嫌っており、どちらかと言えば親中の立場でした。さらに、オバマ大統領は「アメリカは世界の警察をもうやめる」とも宣言していました。

つまり、膨張する中国縮小するアメリカという構図の中で、日本は独自の防衛力を強化せざるをえない状況でした。

そういった国際情勢の中で、一つの問題提起としてこの作品が発表されたのだと思います。空母いぶきは、2014年時点で起こりえた未来の一つの姿です。一つのシミュレーションでもあります。

さて、現実の日本を取り巻く状況は、その後どう変わったでしょうか?原作空母いぶきが想定した未来より、いい未来を辿っていると言えるでしょうか?悪い未来を辿っていると言えるでしょうか?

個人的には、状況は大きく好転したのではと思います。大統領はトランプ大統領に変わり、アメリカ太平洋軍はインド太平洋軍に名称を変更されました。つまり、アメリカは膨張する中国を押し返し、インド太平洋に確固たるプレゼンスを築く覚悟をした表れでもあります。

自衛隊とアメリカ軍の一体化も進んでいます。いずも型護衛艦は、(驚くべきことに大きな反対運動も起きぬまま!)事実上の空母への改造が既定路線となり、F35の運用も議論されています。この前のトランプ大統領訪日時に、いずも型の最新鋭艦「かが」と、アメリカの強襲揚陸艦「ワスプ」が並んだのは象徴的な出来事でしょう。

この状況で、尖閣諸島にてあえて紛争を起こすというのはなかなか難しいのではと思います。まさに、2014年時点でのシミュレーションとは大きく異なる未来を我々は生きていることになります。

そういう目で、この映画を見ると、また違った発見があるかも知れませんね。


総合評価
「前菜だけ出されて、”コース料理は終了です”と言われたような気分」

★★★☆☆ 3点
とはいえ食べる価値のある前菜。

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    ここ1年ほど、急に「イキる」「イキり」という言葉が全国区で広がりを見せています。ヤフー知恵袋などでも、「最近よく見かけるイキるとはどういう意味ですか?」というような投稿も見かけます。

    さて、「イキる」「イキり」とはどういう意味なのでしょうか?


    |  関西弁で「粋(いき)がる」の意?

    幼少期を関西で過ごされた方なら、はっきり言って誰もが使ったことがあるであろう言葉です。「あいつ最近イキっとるな~」とか「イキりか!」というような用例となります。

    しかしながら、年齢とともに次第に使わなくなり、大人になってから頻用されている方は少ないのではないでしょうか。 

    「イキる」というのは、粋がっている調子に乗っている格好をつけているとの意とされ、おおむね同意いたしますが、イコールではないような気が・・・

    なので、いろいろな場面で「イキる」「イキり」という言葉が、不必要に連用されることに少し違和感を覚えています。



    |主に、幼少期使う言葉では。。。

    その違和感について少し考えてみました。

    小さいころには良く使ったが、大きくなってからはとんと使わないというところにヒントがあるのではと思いました。いささか極論ではありますが、たぶん、関西の子ども言葉なんですよ(言語学者ではないので間違っていたらスンマセンw)。だから、大人になってから関西人が使う場合には、そういった「懐かしさ」も込みでの表現になるのだと思います。

    あるいは、そういう”子どもじみた状況”を含めての意です。


    なので、「イキる」という言葉の意は、粋がっている調子に乗っている格好をつけている、ということに加えて、子どもじみているの意が加わっていると考えると、すこししっくりくるように思います。あと、幼少期へのノスタルジーも込み。

    だからきっと、関西人が使う文脈と、覚えたての非関西人が使う文脈では僅かながらにズレがあるのです。


    なので、まさに「イキるという言葉を、イキって使わないで欲しい」。





    |生き残るか消えていくか・・・


    ただし、言葉の意味・ニュアンスというものは、時代とともに少しずつ変わってくるものですので、全国の人々が使うことで純化されて「粋がっているの略」になってしまう可能性も否定できません。

    一時のはやり言葉として消えゆくか、全国的に定着していくのか、見守ってゆきたいと思います。




    なお、「めっちゃ」という言葉もここ10年ほどで一気に全国区になりましたが、あれは汎用性の高い優れた言葉です。


    次の関西発の流行語の候補として、当ブログ的には「いちびる」という言葉を挙げておきたいと思います。

    個人的には、「イキる」「イキり」という言葉よりも、「いちびっている」「いちびり」の方が親しみ易く汎用性の高い言葉のように思います。ダウンタウンなどがたま~に使っていますが、全国的にはピンと来ないのか、あまり広まっていませんね。ちなみに、調子に乗ってはしゃぐ、というような意ですが、やはりイコールではないような(笑)

    地方の言葉は、独自のニュアンスを含んでいて、共通語にイコールで変換できない場合もあるので、味があると思います。













     突然、国際情勢の話ですが・・・映画批評風に 笑

    |イギリス・メイ首相 来月7日辞任

    ざっくりとあらすじ
    2016年に行われたイギリスのEU離脱を問う国民投票の結果を受けて、国民投票言い出しっぺのキャメロン前首相の後を引き継いで首相となりました。サッチャー首相に次ぐ二人目のイギリス女性首相の誕生です。もともとEU離脱には反対票を投じた彼女でしたが、EU離脱のためにEUとの交渉や国内調整を行ってきました。しかし調整うまくいかず、ついに辞任・・・

    感想と考察
    少なくとも国外から見ている限りの印象で、国内から見るとまた違うのかも知れませんが、個人的に好きな政治家の一人です。もともと、EU離脱(ブレグジット)には反対であったのですが、国民投票の結果を受けて、EU離脱のために離脱強硬派と離脱反対派の間を取り持ち「円満なEU離脱」を目指して奮闘してきました。

    ある意味で究極の貧乏くじを引かされたわけですが、個人の意見もわきに置き自らの役割を果たそうとしてきたように見えます。ブレグジットを円満に実行し、TPPの加入までこじつけようものなら、サッチャーに匹敵する名宰相(メイ首相だけに!)となったことでしょう。

    EUとしては、「イギリスよ、出ていくんだったらとことん苦しめ!」ということだろうと思うので、厳しい交渉だったのだと思います。なんとなく、日本とのケミストリーも合いそうだったので、残念です。



    キャスト?
    メイ首相
    正直「みんな私に押し付けおって、やってられるか!」と言いたいことでしょう。

    キャメロン前首相
    事態の元凶。国民投票するだけしてメイさんに丸投げ。

    ジョンソン前外相
    EU離脱強硬派で、国民投票時には離脱を煽った一人です。しかし、いざ離脱が決まると逃げ出したような印象。「テメー煽り逃げはゆるさん」という意味で、メイさんはいったん外相にすえました。次期首相候補にも挙がっていますが、果たして調整能力はあるか?


    総合評価?
    ★☆☆☆☆ 1点

    メイ首相辞任は現行路線のとん挫を意味し、今後は更に強硬なEU離脱、もしくは国民投票やりなおしによるEU残留というように、方針の振れ幅が大きくなると思われます。後者となっても、EUがそのまま受け入れるとも思えず、茨の道でしょう。そういう意味では、経済市場に混乱が更なる混乱がもたらされる可能性があり、あまり喜ばしくないことのように思います。








    アンジェリーナ・ジョリー主演のトゥームレイダー2部作の前日譚に相当する、ララ・クロフトの最初のミッション。2018年公開。


    トゥームレイダー ファーストミッション

     
    ざっくりとあらすじ
    大企業クロフト社の経営者の一人娘ララ・クロフトは、行方不明になった父に代わって会社を相続する権利を拒み、何故か自転車便のバイトをしていた。父の遺品から、「卑弥呼の力を悪用する組織から血世界を守る為、この資料を破棄して欲しい」とのビデオメッセージを見つけ、父の足跡を辿って旅に出る。そして、卑弥呼の墓を目指すが、その中で悪の組織との戦いに巻き込まれていく。




    感想と考察(ネタバレ)

    「悪の組織と戦いながら、遺跡の罠を乗り越えて、宝物にたどり着く」。インディージョーンズ的楽しさが散りばめられおり、今回は日本の卑弥呼の墓が舞台とのことで期待も膨らむのですが、インディージョーンズのスケールには遠く及ばない・・・という作品です。

    まだ、アンジェリーナ・ジョリー主演作の方がスケール感(と突き抜けたお馬鹿さ)はあったような気がします。

    また、金持ちがどうやって冒険に出たのか、という前日譚としては、バットマン・ビギンズにも通じるものがあるのですが、ダークナイト3部作の重厚さにも遠く及ばず。。。


    冒頭で自転車便のバイトをしているシーンにかなりの尺が使われるのですが、その後、自転車を使って活躍するというシーンもありません。

    また、ジムで「ある程度強い」姿が描かれますが、だからといって最強というわけでもなく、ボコボコにされる場面も描かれます。その設定を生かしてどこかで修行シーンがあっても良かったように思えます。


    とにかく、冒頭の「令嬢である自分を否定している姿」が、伏線としても役に立たず、かといってシンパシーを感じるほど深く掘り下げられるわけでもない。

    ただ、ララ・クロフトに「色気はないけど健康的な小娘」感があり、そこは嫌味なく見れるのが救いでしょうか。


    中盤以降は、卑弥呼題材なのに何故か香港に向かったり、卑弥呼題材なのに何故か日本人の出演がなかったり、など不満もありますが、罠の仕掛けられた王墓を知恵と勇気で進んでいく、という王道ストーリーはまずまず楽しめます。ここで、ララ・クロフトの健康的な小娘感が健気に見えるようになってきます(ちょっとランボーっぽい 笑)。


    途中まで悪として描かれていた卑弥呼の、終盤でのどんでん返しのシーケンスは良かったです。あと、悪の組織トリニティを動かしていたのは誰かということに関する最後の引き。



    キャスト
    アリシア・ヴィキャンデル(ララ・クロフト役)
    「健康的な小娘」と評しましたが、もう30歳を超えておられるようです。存じ上げませんでしたが、受賞歴もたくさんあります。ジェイソン・ボーンにも出演。アクションのできる女優さんは個人的に好感度高いです。




    総合評価
    「インディ・ジョーンズとバットマン・ビギンズを足して十で割ったような作品」

    ★★☆☆☆ 2点
    忙しいサラリーマンが時間を作ってまで見る必要:なし




    オーシャンズ8


    ジョージ・クルーニーのオーシャンズ11~13の続編。全員女子。


    ざっくりとあらすじ
     ダニー・オーシャンの妹デニー(サンドラ・ブロック)が、服役から出所後、仲間を集めて宝石を盗む話。






    感想と考察(ネタバレ含む)

    うーん、何が納得いかないかと言って・・・こういうクライム物は「悪党が悪党を懲らしめる」ところに痛快さがある、と個人的には思っているのですが、これ盗む相手は悪党じゃないよね?オーシャンズ11シリーズと毛色が少し異なる。

    何の罪もない宝石商から宝石盗んでどやっていうのもね~。まあ、色々な意味でおバカ映画と割り切っていれば楽しめるのか・・・

    でも、脚本もイマイチで、ハラハラドキドキはありませんでした。事前に綿密に計画をたてても計画通りにいかず、そこを機転を利かせて乗り切るといのが、盗みものの王道なわけですが、本作はおおむね計画通りに粛々と話が進行します。


    キャストが豪華すぎて、サーロインステーキに高級マグロ、トリュフにマツタケも出てくんの~?えっ、松阪牛に伊勢エビも??みたいなお腹いっぱい感を味わう映画と思えば、それなりに楽しめましょうか。


    特に、サンドラ・ブロックとケイト・ブランシェットが同じフレームの中に納まる豪華さよ。なにこの貫禄??笑

    ケイト・ブランシェットってこんな人だっけ?一見ダサいコーディネーションもこの人が着ればめちゃくちゃカッコいい。オーラ半端ない。やっぱりガラドリエル女王(とソーも打ち負かすヘラ女王w)を演じたのは伊達じゃないな。「姐さん、ついて行きます!」と言いたくなるほどのカッコよさなのですが、それがサポート役に回っているのがまたいい。(ウォッカを薄めるくだりをカッコつけて言うのはちょっと・・・笑)

    サンドラ・ブロックもスピードのころは小娘感がまだあったような記憶がありますが、そういえばデンジャラス・ビューティーのころからそこそこ貫禄あったな。


    主なキャスト
    サンドラ・ブロック(ダニー・オーシャン役)
    出演作多数。本文中にも触れましたが、昔はスピード、ザインターネット、デンジャラスビューティー、最近はゼロ・グラビティなど出演作あります。本作公開時もう54歳ですか・・・

    ケイト・ブランシェット(ルー・ミラー役)
    アカデミー賞はじめ数々の映画賞受賞/ノミネート歴あり。出演作多数ですが、やはりロード・オブ・ザ・リングのエルフの女王ガラドリエル役を取り上げたい。その独特のオーラ、気品には脱帽いたします。本作公開時もう49歳ですか・・・

    アン・ハサウェイ(ダフネ・クルーガー役)
    本作ではほぼ本人役??プラダを着た悪魔、ダークナイト・ライジング、レ・ミゼラブル、インターステラーなど。

    リアーナ(ナインボール役)
    世界的歌姫。映画を見るのは初めて。

    その他出演者多数



    総合評価
    「姐さん!もうお腹いっぱいです」

    脚本イマイチだが目の保養になります
    ★★☆☆☆ 2点

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