世界のニュースを映画批評風に考察してみるブログ

経済(株)と映画が好きな人のためのブログ。世界のニュースを映画批評風に分析しています。新作旧作問わず、映画批評もやっています。



ジャッキー・チェンのポリスストーリー・リボーン(2017年)を見てから、ちょっと昔のジャッキー映画が観てみたくなりました(笑)

2004年公開の香港国際警察/NEW POLICE STORYに引き続いて、酔拳2(1994年)の感想と考察です。

関連記事:
香港国際警察/NEW POLICE STORY(2004年)       ★★★★★ 5点
ポリス・ストーリーREBORN(リボーン)
     ★★☆☆☆ 2点



|酔拳2


ざっくりとあらすじ
時は欧米列強の進出さかんな清朝末期、イギリスが領事館を通じて中国の国宝を持ち出そうとする事件に、酔拳を極めた青年フェイフォン(ジャッキー)が巻き込まれていく。。。



感想と考察(重大なネタバレも含む)

昔に観たときはもっと面白いと思った印象があるのですが、今観なおすとずいぶん印象が違うものです。この作品は、いろいろな意味で今の世界には受け入れられないかなぁ~

アメリカ進出直前のジャッキー映画の一つの総決算とも言える純カンフー映画です。清朝末期の時代考証もある程度合っているのでしょう、カンフー映画としては完成度が高いです。

2017年→2004年→1994年と時代を遡ってジャッキー映画を観ているので、だんだんジャッキーのアクションがキレキレになっていきます(笑)。謎の老師との対決、仲間だけどちょっとライバル感のある若者との対決、そして強敵との対決。ジャッキーならではのアイデアを生かした、ある部分では命がけのアクションが健在です。

ですけど・・・何がいかんのでしょう?

まず第一に、伝統的な中国の父権主義的な家族像が描かれています。父は真面目で心優しい人物ですが、儒教的精神に基づき妻や子供に暴力を働くこともあります。これは、今の時代では受け入れられないでしょうね。時代考証には合っているのでしょうが、ちょっと違和感を感じました。初見時は何も思わなかったのに今違和感を感じるのは、時代が変わったせいか、私が歳をとったのか。。。

第二に、イギリスが悪として描かれます。ラスボスはイギリス人ではなく、イギリスの手下として働く中国人ですが・・・。こりゃ、欧米では受けないでしょうね。ただ時代考証にあった設定は、映画作品としては評価するべきだとは思います。(そして、今の香港の現実をみるといろいろと複雑な思いもあります)

そして第三に、母(リン)が仏様に拝んでいるという点。これも時代考証には合っているのでしょうが、現在の中国では仏教が禁じられているので、なかなか興味深くもなんとなく違和感を感じます。

そして最後に、酔拳が禁じられているという点。全然酔拳マスターとちゃうやん!そして、実はこの酔拳2では日本版では見られない真のエンディングがあります。興味がある方は「酔拳2 真のエンディング」でググってみてください。


(以下、重大なネタバレです)
ざっくりと言うと、工業用アルコールを飲んだジャッキーが盲目になって頭もおかしくなってしまうというエンディングです。工業用アルコールなんて飲んで大丈夫なのか!?という劇中の疑問に答える恐るべきオチです。

これは、お酒を飲んではいけません!というメッセージなのでしょうね。ここに、本作の重大な矛盾があるように思います。酔拳が主題でありながら、禁酒キャンペーンのような側面もあるのです。

たぶん、改めて観なおしたときに引っかかったのは、このあたりなんだろうと思いました。

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良かった点
・アクションには全く文句はありません。素晴らしいです。特に老師(フク・マンケイ)とのコンビネーションで棒術を披露するところとか。フク・マンケイ役の俳優さんラウ・カーリョンは本作の監督でもあり、「少林寺三十六房」の監督などもされているんですね。当時にも実際の武術指導者の重鎮。

・カーチャン(リン)が凄くいい!
ジャッキーの実際の年齢よりも年下の女優さんが母親役を演じているのかと思ったら、一応父の後妻という設定でした。

けれども、神嫁・肝っ玉母ちゃんを地でいく素晴らしい役回りでしたね。「思う存分暴れてきなさい!」

残念ながら、女優さんは2003年にお亡くなりになられているようです。


総合評価
「飲むのか?飲まないのか?はっきりしなかった点が残念」
★★★☆☆   3点

本格派カンフー映画としては見るものはあり


過去に取り上げた映画一覧についてはサイトマップをご覧ください。


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クリード2を見たので、その30年前の話であるロッキー4炎の友情を見返しました。それは、ちょっと古臭くはありつつも、中二病患者の気持ちいいツボを押しまくる最高の処方箋でもありました。ロッキー4/炎の友情 1985年アメリカ製作。

関連記事:
クリード/炎の宿敵(クリード2)の感想と考察



|ロッキー4/炎の友情


ざっくりとあらすじ
ロッキー3のラストシーンから話が始まる。「最強のチャンピオン」になったロッキー・バルボアの前に、当時冷戦下でスポーツ交流などなかったソ連のアマチュア最強ボクサー、イワン・ドラゴが現れる。ロッキーとのエキシビションマッチを希望するドラゴ陣営だが、かつてロッキーのライバルであったアポロ・クリード(アドニス・クリードの父)が挑戦を受けることになる。ピークは過ぎ、なおかつ調整不足のまま試合に臨むアポロだったが、不幸にもその試合で死んでしまうことになる。リベンジのためにソ連に乗り込むロッキーの運命は・・・!?



感想と考察(ネタバレ含む)

①ライバルに一度敗北
②修行する
③リベンジ

古くから使われてきた陳腐な展開ではあるのですが、それは人の心に訴えかけやすいからこそ繰り返し使われる展開であり、王道でもあります。このありがちな展開に如何に熱量を持たせられるか、作品の成否はその一点にかかっています。

その意味で言えば、ロッキー4/炎の友情は、この陳腐でありつつも王道である展開を、圧倒的な熱量を持って駆け抜ける印象です。

①ライバルに一度敗北
今回、ロッキー・バルボアは「最強のチャンピオン」という設定です。かつてのライバルであるアポロ・クリードが、ソ連のアマチュア最強の人間兵器イワン・ドラゴに敗北し、死んでしまいます。

・かつてのライバルが新たなライバルに敗北する。
・新たなライバルは米ソ冷戦時代の国家を背負った敵でもある。

コテコテなのですが、熱い! アポロが戦う理由は「衰えゆく自分と戦うため」、ドラゴが戦う理由は「ソ連という国家の威信をかけて」。この明白な両者のモチベーションが、コテコテ展開に説得力を持たせます。


②修行する
この修行シーンがまた見事。ドラゴは当時最新の機器を使った「科学的なトレーニング」であるのに対し、ロッキーが行うのは山に篭もって自然を相手にする「野性的なトレーニング」です。これが対比として描かれます。

こういうシンプルな戦いのストーリーにおいて、修行シーンは本当に大事なんですよ。クリード2でも対比的にトレーニングシーンが描かれていましたが、ロッキー4の描写には全然かなわないな~


③リベンジ
最初は劣勢が続くが形勢が次第に逆転していく。これが、ロッキーvsドラゴであると同時に、ロッキーvsソ連の観客という描写としても描かれます。

どうせ最後勝つんでしょ?という予定調和を忘れさせる演出になっていて、すばらしいと思います。

最後、「2000万人が殺しあうよりはずっといい」とか「誰でも変われるのです!」というのはレーガン政権当時の政治的メッセージでもありますが、それはご愛嬌。


このように、中二病患者のツボをグイグイ押してくる激熱どストレート物語になっています。

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その他良い点。
・史上最強のブサカワ・エイドリアンの「来ちゃった」
ロッキーの嫁のエイドリアンの、絶妙なブサカワ具合を改めて思い知りました(笑)
エイドリアンがモデルのようなスタイル抜群美女だったら、ロッキーの物語にリアリティーがなくなるんですね。ちょうどいいブサカワっぷり(と兄のポーリーのクズっぷり)が、ロッキーの成り上がり物語に説得力を持たせています。

そんなエイドリアンの「あなたドラゴに殺されちゃうわ!私、知らない!」からの、ソ連の山奥への「私、やっぱり来ちゃった」w。中二病スイッチを押しまくりwww

・アポロ・クリード
クリード2を見たばかりなので、どうしてもアドニス・クリードと比べてしまうのですが、やっぱりアポロの方が魅力あるキャラですね。クリードシリーズの成否は、本当の意味でアドニスがアポロを超えれるかどうかにかかっていると思いました。

・80年代ミュージック
今度続編が作られるトップガンのDanger zoneとか、グーニーズのGood enoughとか、とにかく80年代映画は耳に残る名曲(80年代ポップス)が多いですが、ロッキー4も名曲のオンパレード。アポロ・クリードのLiving in America(ジェームス・ブラウン)やEye of the tiger(サバイバー)は、今でも日本のバラエティー番組で使われたりすることがありますね。クリード2でも現代風にアレンジして使用して欲しかった!


ただ、アナログ映像をデジタル映像に変換している影響もあるでしょうが、今見ると画像がすごく古臭く感じますね。まあ、これは仕方ないのですが。。。


総合評価
「いま一度、中二病精神を!」笑
★★★★☆  4点

疲れたサラリーマンも見るときっと元気が出る

過去に取り上げた映画一覧についてはサイトマップをご覧ください。

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映画批評風ではありませんが、ここのところのいくつかのニュースが実は裏でつながっているのではと思ったので、考察しておきます。

(1) 香港で大規模ストライキ

香港のデモが発展して、国際空港のストライキとなりました。注目すべきは、公共性の高い空港職員がストライキに参加しているということです。

(2) 元安の進行

デモやストライキを反映して元が大幅安となりましたが、現在も元安は進行していて、8月7日には1ドル7元を切っています。

(3)アメリカが中国を為替操作国に指定

トランプ大統領が怒りのツイッターで中国を為替操作国に指定しました。「元安誘導で輸出を有利にしようとしている!」と。これで、アメリカは中国に対する更なる経済制裁のカードを手にしました。



これ、全部米中貿易戦争の加速を意味する出来事で、全部つながっていると思います。

米中貿易戦争についてはこちらの記事をご覧ください。
G20大阪サミットの米中対決を映画批評風に考察してみる(2019/7/1)



香港のデモが収束せず拡大傾向にあるのは、参加者が学生だけだからではなく、大企業関係者も含まれているからで、その背景にはアメリカとの取引ができなくなる恐れがある、ということがあります。

デモの拡大やトランプ大統領の追加関税で、元安が進んでいるのですが、「その元安を誘導しているのは中国自身だ!」と言いがかりのようなトランプ大統領の攻撃w

すべて米中貿易戦争(正確には、「次の時代のナプキンを誰が一番最初に取るか」という覇権戦争)の一連の流れで、いよいよアメリカが本気で攻勢をかけつつあるといったところでしょうか。

日本にいるとなかなかピンとこないのですが、今後、覇権戦争は更に加速していくでしょう。日本も腹をくくらねばなりません。安倍首相とトランプ大統領は過去最高に良好な関係を築いているので、ある程度情報も共有していると信じたいですが、この流れの中、中国の国家主席を国賓で日本に招こうとするなど、心配な面もあります。


株と映画好きオヤジとしては、しばらく株式投資は控えるべきと考えます。最近のビットコイン値の上昇は、元が逃げ出しているせいと思われます。引き続き、世界の情勢については情報を収集・整理していきたいと思います。


これまでの米中貿易戦争の大まかな流れを映画批評風にざっくりと知りたい方は、
G20大阪サミットの米中対決を映画批評風に考察してみる(2019/7/1)
をご覧ください。


これまでの記事一覧はサイトマップをご参照ください。
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ロッキー シリーズのリブート作「クリード」。その続編です。この作品は「クリード」の続編でもあり、「ロッキー4炎の友情」の続編でもあります。2018年制作。


|クリード/炎の宿敵(クリード2)

ざっくりとあらすじ
かつてのボクシングのヘビー級世界チャンピオン、アポロ・クリードの隠し子、アドニス・クリードは、ロッキーの指導のもとついに世界チャンピオンとなる。そこに立ちはだかる最強の挑戦者は、かつて父アポロを殺したソ連のボクサー、イワン・ドラゴの息子ヴィクター・ドラゴだった。様々な因縁を持つ二人の対決やいかに!?



感想と考察
この作品を見るに当たって最も注目したのが、「クリード」がロッキーなしに成立する物語に成長するか否か、という点です。

特に、「ロッキー・シリーズ」をリブートした「クリード」がかなりの良作だったこと、そしてもう一つの因縁となる「ロッキー4/炎の友情」が名作であったことから、期待も大きかったのですが・・・

蓋をあけてみると、ガッカリな出来でした(私見)。


最大の問題点は、クリードに感情移入ができないところだと思います。劇中で、ロッキーがクリードに言います。「お前が闘う理由は何か」と。劇中では、それなりに答えを見つけたような演出になっていますが、個人的には「ないに等しい」と思います。


クリードはドラゴに煽られて、ロッキーの反対を押し切ってドラゴと対戦し、大敗してどん底に落ちます。その後ウジウジと自分と向き合うも、家族やロッキーとのふれあいの中で立ち直っていき、最後にはリベンジをするわけですが、結局、クリードの中に「魂」が感じられないのです。一体、何のために闘うのか、と。

ついでに言うと、1回目は対戦に反対してコーチもやめたロッキーが、2回目の対戦のときには進んでコーチを引き受けるにいたった動機も良く分からない。「俺がついていたらこんなことには・・・」と後悔するような台詞がありますが、ロッキーの中にも「魂」が感じられません。

以前の作品になりますが、ロッキー・ザ・ファイナルはすごくロッキーの「魂」を感じる作品でした。ああゆう分かりやすい「熱さ」が、ロッキーにもクリードにも欠落しているように思えるのです。


そういう意味では、今作ではまだ敵役のヴィクター・ドラゴの方に感情移入がしやすいです。ソ連の英雄だったはずの父は、その後没落の人生を歩み、地べたを這いずり回ってヴィクターを育てました。母にも捨てられ、母も憎んでいます。ヴィクターの動機は「いかにもロシア風な陰性のハングリー精神」で、明確です。

なので、いっそのことヴィクターをとても魅力的な敵役にすることもできたはずなのですが、そういう構成にもなっていません。

なにより、イワン・ドラゴよ。ロッキー4の大ファンとしては、「誰の為でもない、自分自身のために戦う!」と豪語したドラゴには、ある程度幸せになっていて欲しかったです。アポロを殺したのは、戦闘兵器として”作られた”ドラゴであって、あの台詞のあと自我に目覚め、自分自身の人生を追及しているものだと勝手に妄想していました。

しかし、ロッキーの敗北を引きずり、妻を憎み、社会を恨み、復讐のために生きてきたドラゴの姿にはがっかりです。その姿は自分自身のために戦う!というものとは相容れないものに思えます。

ロッキーとドラゴは、いろいろあったけど、同じ時代に戦った戦友という設定にした方が良かったんじゃないかな~。モンスターだったドラゴが自我に目覚めて陰性の後ろ向きキャラになってたというのは正直残念です。「作らない方が良かった続編」と言えるかもしれません。


総じて、良くも悪くもロッキー4がないと成立しない今作。その中で、クリードは強烈なアイデンティティを確立したとは言いがたく、クリード3が作られるとしてもそれはロッキーなしには成立しないものになるでしょう。

そういう意味で、ロッキー4とクリード1の期待を背負っての今作は、イマイチだったと言わざるを得ません。今後のクリードシリーズの成否を分けることになる作品のようにも思います。

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その他、残念だった点
1.話が長い
クリードの物語を掘り下げているのでしょうが、長い!全ては語るまい。

2.音楽が今風すぎる
それはそれでいいんですけどね。ロッキー4の後継物語であるならば、80年代ミュージックも入れて欲しかった。特に、アポロ・クリードと言えばLiving in America(ハッピーボーイですね 笑)。そして、トレーニングシーンにはEye of the tigerを混ぜこんで欲しかった!これは本当に残念

ロッキーの影を無くすというコンセプトがあるならまだしも、ロッキーのテーマはふんだんに使われていましたからね。

3.トレーニングシーン
ボクサーの虎の穴って何??チャンピオンがやってきたらみんなもっとリアクション取るのでは? 自分を変えるためには環境も大きく変えなければというのには同意。


と散々酷評しましたが、今どきのボクシングドラマとしてはまあ見れるレベルです。


キャスト
マイケル・B・ジョーダン(アドニス・クリード役)
クリードシリーズまで存じ上げない俳優さんでした。パート3があるなら熱き魂を見せて欲しい。

シルベスター・スタローン(ロッキー・バルボア役)
60歳を超えたころからのスタローンはキレキレでしたが、今作は全体としてイマイチかな。「老いたロッキー」役はうまくこなしておられます。

テッサ・トンプソン(ビアンカ役)
マイティー・ソーのヴァルキリー役でもあります。

ドルフ・ラングレン(イワン・ドラゴ役)
ロッキー4のドラゴ役のイメージが強烈すぎ。アクアマンにも出演されています。


総合評価

「ロッキー4とクリードの期待を背負って盛大に滑った感じ」
★★☆☆☆ 2点

疲れたサラリーマンはもっと熱い男のドラマが見たいはず!


過去に取り上げた映画一覧についてはサイトマップをご覧ください。
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世界のニュースを映画批評風に考察してみる第4弾。今回は、ホルムズ海峡への有志連合艦隊派遣について考察してみたいと思います。第2弾の続きですね。

第1弾:イギリスのメイ首相辞任の感想と考察(2019/5/26)
第2弾:安倍首相のイラン訪問を映画批評風に考察してみる(2019/6/16)
第3弾:G20大阪サミットの米中対決を映画批評風に考察してみる(2019/7/1)

いつも通りにニュースの”点”ではなく、”線”もしくは”面”で、それまでの流れと今後の流れも考えながら考察してみたいと思います。といっても、株好きの素人オヤジが原油高を心配しながら居酒屋でくだ巻いているレベルですので、気軽に読んでください(いっつも言っていますがw)。


ざっくりとあらすじ
(スターウォーズのイントロ風に)
日本に衝撃が走った。

日本企業所属のタンカーがホルムズ海峡で攻撃されたが、

「自国のタンカーは自分で守れ!」

トランプ大統領がそう放言したのだ。



中国の92%、日本の62%の原油がホルムズ海峡を通っている。

これまでその安全保障は米軍が主に担ってきたが、

アメリカから遠く離れた場所の安全保障に,

トランプ大統領は価値を見出すことができないでいた。



一方でアメリカとイランの間の軍事的緊張も高まっている。

「そうだ!同盟諸国で合同でホルムズ海峡の船舶護衛をしようZE!」

アメリカ政府の突然の有志連合艦隊の提案に、

日本はまたも翻弄されるのであった・・・



感想と考察
「有志連合」に参加するか否か。

これは極めて難しい問題で、21世紀の日本の方向性を大きく決定づけることになるのではと思います。


ニュースを”点”で判断して、「賛成だ」「反対だ」というのではなく、ここでは世界史の流れの中で今後日本はどういうポジションを目指すのか、という観点を盛り込んで考えてみたいと思います。

まず、想定される最悪のケースの考察から。

①参加した場合の最悪のシナリオ
船舶護衛の有志連合艦隊が、イラン攻撃のための多国籍軍に転用される。日本はアメリカとイランの戦争に巻き込まれ、戦後初めて自衛隊に戦闘での死者が出る。さらに、日本とイランの伝統的な友好関係は終わりとなり、日本はイランから見て「敵国」になってしまう。


②参加しなかった場合の最悪のシナリオ
「やっぱりジャップは信用できん!」とアメリカから見放される。「アメリカは日本を守っているが、アメリカが攻撃されても日本人はソニーのテレビで見ているだけだ」とのことが実証されることになる。日本は有志連合参加国から孤立の道を歩む。もっと悪いことに、中国が有志連合艦隊に入る。イラン危機終結後は、ホルムズ海峡からインド洋にかけての安全保障を、主に中国が担うようになる。タンカー輸送の安全保障を、アメリカではなく中国に依存することになる。そして最悪の事態、中国が尖閣諸島に侵攻しても、アメリカは助けてくれない。「だってイラン危機のとき、日本もアメリカを見捨てたでしょ」と。そして、尖閣は中国の手に落ちる。

※実際にロシア・中国主導の有志連合の構想はあるようです。

どちらも背筋が凍るようなシナリオです。あなたはどちらのシナリオがお好みですか?



もう少し楽観的なシナリオも考えてみましょう。
③参加した場合の楽観的なシナリオ
有志連合艦隊の任務は、民間タンカー護衛のための平和的任務に限定される。アメリカとイランの危機も収束に向かう。日本の海上自衛隊は、ホルムズ海峡からインド洋にかけてのプレゼンスを確立する。アメリカから「日本も案外頼りになるじゃん。尖閣諸島危機のときには助けてやるゼ!」となる。

④参加しなかった場合の楽観的なシナリオ
「だよね~日本はソニーのテレビで見ているだけだよね~別に期待していなかったよ!」となる。見た目上は変化なし。

あなたはどちらのシナリオがお好みですか? 笑


アメリカの狙い
トランプ大統領は明らかに「金のかかることが大嫌い」です。なので、ホルムズ海峡の安全保障を米軍だけが担っている現状を好まず、負担を同盟国に振り分けたい狙いがあると考えます。これは、オバマ大統領時代からの「リバランス」の延長線上にもあたります。

また、民間船舶護衛のための名目としつつ、実質的にはイランに対してプレッシャーをかける多国籍軍としての役割も期待していると思われます。イラン攻撃に際して、国際世論を味方につけるための下準備でもあります。ただし、共和党主流派と軍産複合体はともかく、トランプ大統領自体は「めちゃくちゃ金のかかる」戦争をどこまで本気でしたいのか分かりません。キリスト教右派へのアピールが最大の目的のように思います。

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キープレーヤー中国
米中貿易戦争が進行中ですので、中国が多国籍軍に入る可能性は低いでしょうが、奇しくもトランプ大統領が「中国の92%、日本の62%の原油がホルムズ海峡を通っている」と指摘しています。ホルムズ海峡有事の際、中国は日本以上に困る立場です。従って、インド洋のみならずこの地にプレゼンスを確立したい狙いはあるはずで、キープレーヤーとして何らかのカードを切ってくる可能性は否定できません。



日本の過去・現在・未来
戦後、アメリカは日本の再武装を恐れ、その結果自衛隊の能力は大幅に限定されることになりました。しかし、21世紀に入り、アメリカの力も衰えました。アメリカはもはや世界の警察としての役割を果たせず、世界からプレゼンスを縮小していく流れの中で、それを補完するために同盟国に負担を強いるようになりました。特に、トランプ大統領はNATOや日本や韓国に、アメリカ軍が守ってやってるんだからもっと金払え!と公言してはばかりません。これが日本のザックリとした日本の置かれている立場の過去と現在。

未来は、「アメリカが縮小し、中国が膨張する流れの中で、日本はどのような役割を果たすか」ということを考える必要があります。大きく、二つの方向性があると思います。

今まで日本はアメリカによって押さえつけられていた部分もあるため、アメリカが弱ってきて「お前も頑張れ」と言っているのを奇貨として、「じゃあ、遠慮なく♪」とちゃっかり力を着けながら世界でプレゼンスを示していくか、あるいは「いや~うちは平和国家なんで、厄介ごとには巻き込まないで~」とあくまで距離を置くか。

前者のケースが上記シナリオの①か③、後者のケースが上記シナリオの②か④といったところになるでしょう。どちらもバラ色の未来ではありません。どちらに進むにせよ、日本には覚悟が求められます。



慎重で懸命な判断を政府には期待したいです。

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